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インターネット公開文化講座

文化講座

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季節の保存食を作りましょう

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第11回 梅ジュース・新しょうがの甘酢漬け

前シリーズでは「愛する人に作りたいスイーツレシピ」と題し、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しています。
旬の食材は味も栄養価も充実している・値段が安いなどの長所がいっぱい!!
毎月2つずつテーマ食材を決め、レシピや栄養価についてご紹介しております。

第11回目の今月は、「梅ジュース」と「新しょうがの甘酢漬け」です。

1.梅ジュース

梅ジュースは青梅を砂糖で漬け、梅のエキスを抽出した飲み物です。

青梅には"アミグダリン"という毒が含まれているため、生のまま食べてはいけません。
このアミグダリンと胃酸が合わさると、有毒化して痙攣や呼吸困難、麻痺状態になり、「死に至る」とされているからです。

しかし梅は干したり漬けたりすることで、毒素が低下して食べられるようになるのです。

梅にはクエン酸が含まれ、体に溜まった乳酸を燃焼させ、疲労回復に効果が高いので、様々に工夫して健康維持に役立てましょう。

血液サラサラ効果や肝機能を高める効果もあります。
食欲増進にも役立つので、夏バテになりやすいこれからの季節にオススメの食材です。

梅ジュース

※砂糖が完全に溶けたら、飲むことが出来ます

材料 1回に作りやすい分量
1kg
砂糖 800g(梅の重さの80%)

作り方

  1. 梅は洗ってヘタを竹串で取り、再度洗います。水気を拭きます。
  2. 1.を袋に入れ、冷凍庫で一晩以上凍らせます。
  3. 広口ビンに2.の梅と砂糖を交互に入れ、密閉します。
  4. 梅が解凍し始めたら、時々ビンを動かして砂糖を溶かします。

梅ジュース大さじ2をミネラルウォーターや炭酸水150mlで割って飲みます

青梅は冷凍することで、梅の繊維が破壊されてエキスが出やすくなります。
また梅が解凍する際に砂糖が溶けるので、早く梅ジュースが仕上がります。
毎日ビンをゆすって混ぜると、約1週間~10日間ほどで出来上がります。

出来上がった梅ジュースは冷蔵庫で保存すると、6~8ヵ月ほど保存可能です。

取り出した梅は熱湯で茹でて種を外し、ジャムにして利用して下さい。

2.新しょうがの甘酢漬け

新しょうがは初夏に出回る、みずみずしい根しょうがのことです。
根付けに使ったひねしょうがの上の部分に出来た新しい根の部分で、ひねしょうがに比べて辛みが穏やかです。

茎のつけ根が赤いのが特徴で、酢と合わさると、鮮やかなピンク色に変化します。

しょうがには、辛み成分の「ジンゲロン」と「ショウガオール」が含まれます。
ジンゲロンは血行を促進して体を温め、免疫力を高める効果があります。
冷え性の改善や脂肪の燃焼に役立ちます。

ショウガオールは抗酸化作用があり、抗ガン作用があるとされています。

新しょうがの甘酢漬け

※冷蔵庫で半年程保存出来ます

材料 作りやすい分量
新しょうが 500g
 
A  
砂糖 1/2カップ(60g)
酢(純米酢) 100ml
150ml
小さじ1弱

作り方

  1. 新しょうがは洗って、スプーンの背などで汚れを取ります。
  2. 1.をごく薄く輪切りにします。
  3. その間にたっぷりの湯を沸かし、2.を入れてひと煮立ちしたらザルに上げます(水に取りません)。
  4. 別鍋に(A)をひと煮立ちさせます。
  5. 4.を乾いた器に入れ、両方が熱いうちにしっかりと水気を切った3.を入れ、急冷します。
  6. 味がなじんだら、貯蔵ビンに入れ、冷蔵庫に入れます。

≪活用方法≫

★寿司に添える
★お弁当に入れて殺菌効果

焼きサバ寿司(押し型7cm×15cm×4.8cm 4箱分)

  1. 洗った米3カップ(600ml分)に水700mlと酒大さじ2を入れ、1時間程浸水してから炊き上げ、10分間程蒸らします。
  2. 1.に混ぜ合わせておいた合わせ酢(酢70ml、砂糖大さじ3~4、塩小さじ2弱)を打ち、白いりごま小さじ2を加えて手早く混ぜて冷まします。
  3. 新しょうが120gは1mm厚さにスライスし、熱湯に入れて再沸騰したらザルに上げて冷まします。
  4. 3.をボウルに入れ、すし酢(甘口)50mlに漬け込みます(市販の酢どりしょうがでも良い)。
  5. しめサバ4枚(1枚120gのもの)は、グリルで皮目を上にして8分間程焼き、完全に火を通します。
  6. 5.をキッチンペーパーで包み、油を取って冷まします。
  7. 2.は1箱分240gずつに分け、軽くひとまとめにします。
  8. 押し型の内側にラップを敷き、6.を皮目を下にして置き、青じその葉12枚(青い部分を下にして)水気を切った3.の順に重ね、7.をふちまでしっかりと詰めます。
  9. 8.にラップをかぶせてからフタをし、四隅をしっかりと押してから、上から強く押して重しをします。
  10. 9.の型をはずし、ラップごと6等分に切ります。

甘酢漬けを添えるとサバの臭みが消えて口中がさっぱりします

梅酢に漬けると紅しょうがにもなります。

新しょうがは甘酢漬けや紅しょうが以外にも、米と一緒に炊き込んで「新しょうがご飯」にすると風雅で良いでしょう。

≪新しょうがご飯の作り方・4~6人分≫

  1. 米(普通米2・1/2カップ(500ml分)、もち米1/2カップ(100ml分))は洗ってザルに上げ、40分~1時間前に混合だし汁(冷えたもの・660~700ml)、酒大さじ2に浸けておきます。
  2. 新しょうが(塊・80~100g)は汚れをスプーンで削り、繊維にそってせん切りし、水にさらします。
  3. 油揚げ4枚(40g)は熱湯をかけて油抜きをして、細かく刻みます。
  4. 2.と3.をみりん大さじ2、しょうゆ大さじ2強、塩小さじ3/4にからませておきます。
  5. 1.に4.を加えてザッと混ぜて普通に炊き、10分間程蒸らします。
  6. さっくりと混ぜて器に盛り(又は物相型で抜く)、枝豆8~12さやを茹でて添えます。
季節の保存食を作りましょう
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