愛知県共済

インターネット公開文化講座

文化講座

インターネット公開文化講座

季節の保存食を作りましょう

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第10回 じゃこ山椒・新玉ねぎ黒酢ドレッシング

前シリーズでは「愛する人に作りたいスイーツレシピ」と題し、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピをご紹介しました。
今シリーズでは、「心にゆとり」を生み出す、本物の味・最新の保存食レシピをご紹介しています。
旬の食材は味も栄養価も充実している・値段が安いなどの長所がいっぱい!!
毎月2つずつテーマ食材を決め、レシピや栄養価についてご紹介しております。

第10回目の今月は、「じゃこ山椒」と「新玉ねぎ黒酢ドレッシング」です。

1.じゃこ山椒

しらす干しを調味料で煮て、実山椒で風味をつけたものです。
京都の有名料亭などでも販売されていますが、一般的に売られている、ソフトタイプのしらす干しで作れるので、家庭でも簡単に作ることが出来ます。
熱々のご飯にのせて、おにぎりに混ぜて、お茶漬けにと様々に楽しめます。

もうすぐ実山椒が出回る季節を迎えます。
実山椒のしょうゆ漬けを作って冷凍保存しておくと、一年中じゃこ山椒を作ることが可能です。

《実山椒とは》

青山椒とも言い、山椒の未熟な実のことです。
香り、辛みが最も強く、5月下旬から6月頃に出回ります。

山椒の辛みは「サンショオール」という成分で、食欲増進や基礎代謝を上がる効果があります。
殺菌効果も高いので、食中毒予防にも役立ちます。

ちなみに山椒の若芽は、木の芽と呼ばれて柔らかくて香りが良いので、吸い物やご飯もののあしらいに使われます。


伊藤華づ枝作 焼きホタテとしめじのご飯


伊藤華づ枝作 ハマグリしんじょのお椀

<実山椒のしょうゆ漬けの作り方・作りやすい分量>

  1. 実山椒400gを軸から取り、水で洗います。
  2. 沸騰した湯で10~15分間程ゆでこぼし、流水に1時間程さらします。
  3. 2.をザルに上げ、陰干しをします。
  4. 3.をジッパー付きの袋に入れ、実山椒が浸るくらいのしょうゆ約400mlを入れます。
    冷凍保存すると一年中使えます。
    じゃこ山椒の他にも、肉みそに入れるなど様々な料理に活用出来ます。

    実山椒のしょうゆ漬けを使ったジャージャー麺
じゃこ山椒

※たくさん作ってプレゼントしても喜ばれます

材料 1回に作りやすい分量 1回にたくさん作る分量
しらす干し 100g 1㎏
 
A    
120ml 1000ml
みりん 50ml 450ml
しょうゆ 大さじ3 370ml
 
実山椒のしょうゆ漬け 大さじ2 200g
小さじ1/2 大さじ2

作り方

  1. しらす干しを熱湯でサッとゆでてザルに上げます。
    (水に取りません)
  2. (A)を煮立てて1.を入れ、中弱火で煮ます(最後に色が濃くなるので、しょうゆは足しません)。
  3. 2.の煮汁が少なくなったら、汁気を切った実山椒のしょうゆ漬けと酢を入れます(しょうゆ漬けした汁は入れません)。
  4. 3.が煮つまってきたら盆ザルの上にのせ、あれば、干し網に入れ、外で吊るして干します(室内で扇風機で乾かしても良いでしょう)。

《ポイント》

  • 煮ている途中に箸でかき混ぜると崩れやすくなるため、鍋を揺するようにして、木杓子でそっと混ぜながら煮ることがコツです。
  • 煮汁がなくなるまで煮て陰干しすれば、カラリと仕上がります。

2.新玉ねぎ黒酢ドレッシング

現在、旬を迎えている、新玉ねぎを使ったドレッシングをご紹介します。
ドレッシングは多くの市販品が出回っていますが、酢・油・塩分を混ぜ合わせれば、誰でも簡単に作ることが出来ます。
食材や酢・油・塩分の種類を変えれば、何通りものドレッシングを作ることが出来、楽しむことが出来ます。
自分で作れば、添加物もなく、何が入っているか目に見えるため、安心安全です。

新たまねぎは春、3~5月頃が旬の、水分が多い玉ねぎです。
愛知県は玉ねぎの収穫量4位を誇り、特に新玉ねぎの出荷が多いのが特徴です。

通年売られている茶色の皮の玉ねぎは、収穫してから約1ヵ月乾燥させ、貯蔵したものです。
新玉ねぎは3~4月に早取りをし、すぐに出荷するもので、柔らかい外皮に包まれ、水分が豊富なので柔らかく甘味が強いのが特徴です。

≪玉ねぎの栄養効果≫

茶色の玉ねぎも、新玉ねぎも含まれる栄養素は同じです。

1.オリゴ糖

腸内細菌(善玉菌)を活性化させ、腸内環境を整え、免疫力アップに役立ちます。

2.アリシン(硫化アリル)

ツンとしたニオイの素で、いくつかの効果があります。

  • 疲労回復効果
    ビタミンB1の効果を高め、疲労物質を分解するので、心身の疲労回復に最適。
    ビタミンは熱に弱く、水に溶けやすい性質があります。
    新玉ねぎは辛みが少ないので生でも食べやすく、効率よくビタミンB1を摂ることが出来ます。
  • 抗ガン作用
    刺激臭成分のアリシンはイオウ化合物の一種で、人間の体内で発ガンを抑制する作用があります。
  • 血液サラサラ
    コレステロールの代謝を促し、血栓防止作用があるので、血液がサラサラになります。

他にも殺菌効果・生活習慣病の予防にも役立ちます。

新玉ねぎ黒酢ドレッシング

※たくさん作って冷蔵保存も出来ます

材料 作りやすい分量(400ml分)
新玉ねぎ 1/2コ(120g)
 
A  
しょうゆ 200ml
黒酢 100ml
サラダ油 50ml
砂糖 約大さじ3(30g)
小さじ2

作り方

  1. 新玉ねぎは粗みじん切りにし、(A)と共にガラスボウルやガラス瓶に入れます。
  2. 1~3日間程、冷蔵庫保存すると味がマイルドになります。

≪活用方法≫

野菜とマグロのサラダ(4人分)

  1. レタス200gは大きめの角切りにし、水に晒します。きゅうり1本はピーラーで縞目に皮をむいて乱切り、ミニトマト8コはヘタを取って縦4つに切ります。
  2. スナップエンドウ8さやはスジを取って塩茹でし、水に取ります。1/2長さに切り、開きます。
  3. マグロ120gは1cm角の棒状に切って湯引きし、氷水に取って1cm幅に切ります。
  4. 器に1.~3.を盛り、ドレッシング1人大さじ3をかけて青味を添えます。
季節の保存食を作りましょう
このページの一番上へ