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愛する人に作りたいスイーツレシピ

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第6回 家庭で作りたいお菓子・その(3)~シュークリームとフルーツ白玉~

 前シリーズでは「日本全国食べ歩き~郷土の味を求めて~」と題し、筆者が全国各地を食べ歩いて研究した郷土の味、その土地の人々から愛されてきた逸品を、作りやすいレシピと共にご紹介しました。今シリーズでは、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピを毎月2点ずつご紹介しています。

第6回目の今月は、洋菓子の定番「シュークリーム」と、「フルーツ白玉」をご紹介します。

1.シュークリーム

<シュークリームとは>

シュークリームは焼いてふくらみ、中が空洞になった生地に、カスタードクリームなど詰めた洋菓子です。
フランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム」と言います。

シュー生地は鍋に水とバターを入れて沸騰させ、小麦粉を入れて練った生地をオーブンで焼いたもの。
最終的にオーブンで焼くのに、その前にも一度火を通すという、珍しい生地の洋菓子です。

オーブンが発明される前には、茹でるか揚げるかの調理方法しかなく、シューの原型は、「揚げシュー(ベニエ・スフレ)」であるとされています。

伊藤華づ枝作
シュークリーム


<シューの名前の由来>

シューはフランス語で、「キャベツ」を意味します。
丸く絞り出した生地を焼くと、ふくらんで亀裂が入って結球したキャベツのように見えることから名がつきました。

<シュー生地を使ったお菓子の数々>

シュー生地を使ったお菓子には、「シュークリーム」の他に、エクレアやパリブレスト、クロカンブッシュ(小さなシューをツリー状に積み、アメ細工などでデコレーションした飾り菓子)などがあります。

伊藤華づ枝作
エクレア
シュー生地を細長く焼き、中にクリームを入れて表面にチョコレートをかけたもの
フランス語で「雷・稲妻」を意味します

伊藤華づ枝作
パリブレスト
シュー生地をリング状に絞り出して焼き、間にクリームやフルーツを挟んだもの
車輪をイメージして作られました


ちなみにエクレアの名前の由来には、中のクリームが飛び出さないように、稲妻が光るが如く、素早く食べなければならないという説もあります。

いちごのシュークリーム~チーズレモンクリームを詰めて~

※爽やかなレモンのクリームと甘酸っぱいいちごを詰めました

材料(8コ分) 分量
無塩バター 60g
150ml
小麦粉 75g
全卵 3コ(160g)
卵白 1・1/2~2コ分(70g)
サラダ油 適宜
クリームチーズ 80g
砂糖 50g
レモン汁 大さじ3
生クリーム 200ml
砂糖 20g
コアントロー(又は洋酒) 大さじ1/2
いちご 4粒
粉糖 適量

作り方

  1. 鍋に水とバターを入れて熱し、沸騰したところへ振るった小麦粉を入れて強火で1分間、弱火にして1~2分間程、しっかりと練ります。
  2. 1.の火を止め、熱いうちに割りほぐした全卵と卵白を少しずつ混ぜ、ぼったりとするまで練り混ぜます。
  3. オーブンシートを敷いた天板の上に、2.の生地を丸口金で8コに絞り出します(中心が高くなるように絞り出します)。
  4. ナイフに油をつけて3.の上部に切り込みを入れ、霧を吹きます。200度のオーブンで20分間程焼き、180度に温度を下げて15分間焼きます。火を止めて10~15分間絶対に扉を開けないで、そのまま冷まします。
  5. 室温に戻したクリームチーズと砂糖をボウルに入れて混ぜ、レモン汁を少しずつ加えます。
  6. 別のボウルに生クリームと砂糖とコアントローを入れ、しっかりと泡立てます。
  7. 5.と6.を混ぜ合わせます。
  8. いちごはヘタを取って1粒を縦4等分にします。
  9. 4.が完全に冷めたらシュー生地の2/3位まで、斜めに切り込みを入れます。7.を星型口金がついたしぼり袋に入れ、生地の中に絞り出します。8.をはさみ込み、粉糖を軽くふります。
  10. 9.を器に盛ります。

※写真にはキウイフルーツとマンゴーも入れました

<小麦の栄養素>

たんぱく質や糖質のエネルギー代謝を促進する、ビタミンB1・B2を豊富に含みます。
ビタミンB1は「美容のビタミン」と言われ、細胞の再生を促します。
ビタミンB2は疲労物質である乳酸を分解するので、疲労回復にも効果的です。
細胞の老化を防ぐビタミンEや、骨を強化するカルシウムも豊富です。

2.フルーツ白玉

<フルーツ白玉とは>

白玉粉と水を練って作る、つるりと舌触りの良い団子にシロップとフルーツを合わせたデザートです。

<白玉粉とは>

もち米加工品の一つです。
もち米を水に浸してから製粉した粉のことで、「寒ざらし粉」とも言います。
凍結作用によって粒子が細かくなり、なめらかで、つるりとした食感になります。
白玉粉は室町時代に中国より伝わり、江戸時代に庶民も食べられるようになり、現在は白玉団子や求肥などの菓子材料にしたり、椀だねなどの料理にも使われています。

白玉団子の作り方は、水を少しずつ加えて耳たぶ位の固さになるまでこねます。
平たい団子状に形作って熱湯で茹で、浮き上がってきたら水に取ります。
餅の代わりに汁粉に入れたり、かき氷やあんみつに添えて食べられることが多いです。

伊藤華づ枝作
冷やし白玉ぜんざい

伊藤華づ枝作
抹茶白玉の小倉クリームがけ


フルーツ白玉の黒みつかけ

※季節のフルーツでお楽しみください

材料(4人分) 分量
粉寒天 4g(1袋)
500ml
 
A  
黒砂糖(粉末タイプ) 80g
白砂糖 50g
100ml
 
B  
白玉粉 120g(1袋)
100~120ml
 
バナナ 1本
いちご 8粒
ミントの葉 4枝

作り方

  1. 寒天を分量の水でふやかします。
  2. 1.を完全に煮立ててから、粗熱を取って流し缶で冷やし固めます。固まったら1人分を9切れに切り分けます。
  3. (A)を鍋で煮立て冷まし、黒みつを作ります。
  4. (B)を手で練り混ぜて、1人5コ当てに丸めます。
  5. 4.を熱湯で浮いてくるまで茹で、水に取ります。
  6. バナナは輪切りにします。
    いちごはヘタを取り、縦4等分に切ります。
  7. 器に2.と5.、6.を盛ります。
    その上からシロップをかけ、ミントを添えます。

※写真にはいちごの代わりにさくらんぼを添えました

<白玉粉の栄養素>

人のエネルギー源となる、炭水化物が主な成分です。
たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維も含みます。
粒子が細かいため、消化吸収がよく、胃腸に負担をかけにくいのが特徴です。

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