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愛する人に作りたいスイーツレシピ

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第4回 家庭で作りたいお菓子~プリンとゴマ揚げ団子~

 前シリーズでは「日本全国食べ歩き~郷土の味を求めて~」と題し、筆者が全国各地を食べ歩いて研究した郷土の味、その土地の人々から愛されてきた逸品を、作りやすいレシピと共にご紹介しました。今シリーズでは、お菓子の歴史やその名前の由来、誕生秘話などを取り入れながら、家庭で作りやすいスイーツレシピを毎月2点ずつご紹介しています。

第4回目の今月は、家庭で最も親しみのある洋菓子・やわらかプリンと、中国料理の代表点心・ゴマ揚げ団子をご紹介します。

1.やわらかプリン

口に入れた瞬間にトロリと溶けてしまうほどの、やわらかいプリンをご紹介します。
あの有名な菓子店の「なめらかプリン」に負けない、おいしさです。

<プリンとは>

イギリスで生まれた菓子で、正式には「プディング」と呼ばれます。
一般的に知られるプリンは卵と牛乳、砂糖を混ぜ合わせて蒸し焼きにした洋菓子です。
「プディング」がなまって、日本では「プリン」と呼ばれるようになりました。

<プリンのルーツ>

1588年、英西戦争において、イギリスがスペインの無敵艦隊を破って海の覇者となりました。しかし当時の航海中の最大の問題は食糧難で、肉の小片やパン屑でも大切な食糧でした。
余った食材を卵液と混ぜ合わせて蒸し焼きにしてみたところ、いわゆる茶碗蒸しのようなものが出来上がりました。これが「プディング」のはじまりであり、イギリスの船乗りの知恵から誕生したものです。

プディングは陸上でも作られるようになり、初めは肉の脂身やフルーツ、ナッツ、パン屑などを寄せ集めたものを作り、次にパンや米のみを入れたものが作られるようになります。
その後、卵液のみを固めた「カスタードプディング」が作られるようになり、世界に広まりました。
つまり「プリン」は、引き算で生まれたお菓子なのです。

<プリンに似たお菓子>

プリンに似たお菓子には、フランス菓子の「クレームブリュレ」や、スペイン菓子の「クレマカタラーナ」があります。クレームブリュレは日本では焼きプリンとも呼ばれ、親しみあるお菓子です。

伊藤華づ枝作 焼きプリン ア・ラ・モード

伊藤華づ枝作 クレマカタラーナ


やわらかプリン

伊藤華づ枝作 やわらかプリン

※湯せん蒸しすることでなめらかな舌触りのプリンに仕上がります

材料(100mlの牛乳びん6コ分) 分量
※カラメル
A  
グラニュー糖 50g
大さじ2
 
大さじ3
※プリン液
牛乳 300ml
生クリーム 200ml
卵黄 4コ分
グラニュー糖 40g
バニラエッセンス 2~3滴

作り方

  1. (A)を小鍋に合わせ、火にかけて色づいてきたら大さじ3の水を加え、カラメルソースを作り、少し煮つめます。
  2. 鍋に牛乳と生クリームを入れて火にかけ、温めます。
    ※沸騰させずに約50度(触って熱いと感じる位)に温めます
  3. ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、白っぽくなるまですり混ぜます。
  4. 3.に2.を少しずつ入れながら混ぜ合わせ、バニラエッセンスを入れます。
  5. 4.を漉します。
    ※なめらかな生地にして全体を均一にする為です
  6. ビンに1.のカラメルソースを入れて表面をかたまらせます。その上に5.を型にそっと流し入れ、表面の泡を取ります。
  7. 6.の型に、アルミホイルで完全に蓋をします。
  8. フライパン(又は鍋)に湯を沸かして、沸騰したら一度止めて6.を並べます。※フライパンの湯の量は、型が1/3から半分浸る程度が良いです
  9. 8.の鍋に蓋をして、弱火で20分間火にかけます。
  10. 蒸し上がった事を確認し、冷やします。

抹茶やコーヒー、かぼちゃのペーストを混ぜ込んで、さまざまな味のプリンを作ることも出来ます。

伊藤華づ枝作
ゼラチンで固めた抹茶のプリン


伊藤華づ枝作
蒸して作ったコーヒープリン

伊藤華づ枝作
ゼラチンで固めたかぼちゃのプリン


<卵の栄養素>

良質たんぱく質を豊富に含んだ完全栄養食品です。
ビタミンA、E、B群を豊富に含むので、免疫力を高めて新陳代謝を活発にします。

2.ゴマ揚げ団子

もっちりとした食感がやみつきになる、ゴマ揚げ団子をご紹介します。
ゴマの香ばしい香りが広がる、中国風デザートです。

<ゴマ揚げ団子とは>

中国では芝麻球(チーマーチュウ)と呼ばれ、甜点心(甘い点心)の一種です。
白玉粉の生地であんこを包み、ゴマをまぶして油で色よく揚げて作ります。

点心とは「心に触れるもの」という意味や、「空心(すきばら)に小食を点ずる」という意味の軽い食事をさします。食事の間に食べる軽い食事や菓子のことを「甜点心(カンテンシン)」と呼び、甘味のある点心のことです。
その一方で肉などを使った餃子、シューマイ、春巻き、包子など、甘くない料理のことを「鹹点心(ハンテンシン)」と言います。

伊藤華づ枝作
ホタテシューマイ

伊藤華づ枝作
エビの春巻きスティック


ココナッツ団子や杏仁豆腐、マンゴープリンは、甜点心に含まれます。

伊藤華づ枝作
ココナッツ団子


伊藤華づ枝作
杏仁豆腐

伊藤華づ枝作
マンゴープリン


ゴマ揚げ団子

伊藤華づ枝作 ゴマ揚げ団子

※むきゴマを使用することでキレイに揚がります

材料(8コ分) 分量
白玉粉 90g
砂糖 20g
50~60ml
小麦粉 45g
熱湯 大さじ3
つぶあん 110g
むきゴマ(又は白いりゴマ) 適宜
揚げ油 適宜

作り方

  1. 白玉粉と砂糖をボウルに入れて混ぜ合わせ、分量の水で練ってひとかたまり(かため)になるようにします。
  2. 別のボウルに小麦粉を入れ、一気に分量の熱湯を入れ、箸で混ぜて練ります(※ぐらぐら沸いた熱湯を使用して下さい)。
  3. 1.と2.をあわせてさらに練り、8等分します。
  4. つぶあんは8等分にして3.で包み込み、ゴマをまんべんなくまぶしつけ、低温の油でじっくり揚げます。団子が浮いてきたら、温度を上げてカリッとさせます。

<ゴマの栄養素>

ゴマに含まれる抗酸化成分であるセサミンやセサミノールは、活性酸素を抑制して体のサビを防止します。
疲労回復に役立つビタミンB1や骨を強くするカルシウム、貧血を予防する鉄なども豊富に含むため、積極的に摂りたい食品のひとつです。

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