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インターネット公開文化講座

文化講座

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日本全国食べ歩き~郷土の味を求めて~

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第9回:四国(愛媛・香川・高知・徳島)

 前シリーズでは「発酵食品の魅力にせまる」と題し、代表的な発酵食品を毎月順番に取り上げ、その特徴や健康効果、おすすめの料理をご紹介しました。今シリーズでは、筆者が全国各地を食べ歩いて研究した郷土の味、その土地の人々から愛されてきた逸品を、作りやすいレシピにしてご紹介しています。
第9回目の今月は、四国「愛媛・香川・高知・徳島」です。

1.四国地方

愛媛県

  • 面積:5,678.51km2
  • 人口:1,402,506人(2014年2月現在)
  • 県庁所在地:松山市

高知県

  • 面積:7,105.20km2
  • 人口:743,048人(2014年2月現在)
  • 県庁所在地:高知市

香川県

  • 面積:1,876.58km2
  • 人口:983,992人(2014年2月現在)
  • 県庁所在地:高松市

徳島県

  • 面積:4,146.81km2
  • 人口:768,134人(2014年2月現在)
  • 県庁所在地:徳島市

2.四国地方の食文化

四国の太平洋側は黒潮が運ぶ海の幸が豊富で、ワカメやタイの漁獲で特に知られています。
瀬戸内ではサワラやタコ、イカナゴなどが漁獲されます。
特に高知県で有名なカツオは、かつお節などを用いた土佐煮や土佐酢などの料理を、高知の旧名「土佐」と名付けて呼ばれています。
周りは海に囲まれていますが、陸地では温暖な気候による山の幸や果実などにも恵まれています。
食材の宝庫でもある四国地方には、様々な名物料理があります。

3.四国地方の名産品と郷土料理

四国地方にはたくさんの名産品がありますが、ここではその一部を紹介します。

☆香川県

映画にも取り上げられ、近年「讃岐うどん」ブームで、一躍有名になった県です。
香川県では、古くから小麦・塩・水・しょうゆといった讃岐うどんの原料が、この地域で容易に入手できたことから広まったと考えられます。
香川県人は特にうどんが好きで、1人当たりの年間うどん消費量は230玉で日本1位です。

現在、香川県には約650店のうどん屋があると言われています。
讃岐うどんは1杯の量が少なく、安価なため、1日に何軒も食べ歩くことが出来ます。

~2011年9月・2日間で7軒のうどん屋さんを食べ歩きました~
中でもおすすめの4軒を紹介します。

山越うどん

釜玉うどん発祥の有名店で、平日でも店の前には行列が出来ていました。
釜からあげたてのうどんの中央に産みたての地卵を割り入れ、だしじょうゆをかけて食べます。
「釜玉」は山越うどんが、定番メニューにしたことをきっかけに全国に広まりました。

山越うどん(綾歌郡綾川町羽床上602-2)
店前での筆者(行列が出来ています)


釜玉うどん

天ぷらのサイドメニュー


谷川米穀店

元々は米屋さんだった店で、毎日その日の分だけ仕込んだ生地を手打ちし、茹でたてを食べることが出来ます。
冷うどんにしょうゆと酢、激辛調味料(青唐辛子のしょうゆ漬け)をつけて食べるのが、この店特有の食べ方です。
「青唐辛子のしょうゆ漬け」の美味しさにハマり、私も再現して作ってみました。
作り方は、「日本全国食べ歩き~郷土の味を求めて~」の東北地方篇で紹介しています。

谷川米穀店(仲多度郡まんのう町川東1490)
店前での筆者


冷うどん(小)を激辛調味料で食べる筆者

伊藤華づ枝作 青唐辛子のしょうゆ漬け


長田(ながた)in香(か)の香(か)

釜あげうどんの有名店で、地元の人が通う店です。
イリコ、かつお、昆布の3種類を合わせてとっただしつゆは、奥深い味わいでうどんとの相性が抜群です。

長田in香の香(善通寺市金蔵寺町1180)
釜あげうどんを食べる筆者

おか泉

讃岐うどんを世に広めた立役者の一人は、おか泉の店主・岡田文明さんです。
「うどんは作るのではなく、鍛えて育てるもの」と、まごごろと情熱に溢れています。
この店の名物は、冷うどんの上にどんぶりからはみ出す程大きいエビ天とおろし大根がのった「冷天おろし」です。
なめらかなのど越しのうどんにサクサクのエビ天は、何度も通いたくなる味です。

おか泉(綾歌郡宇多津町浜八番丁129−10)
店主・岡田文明さんと筆者

名物・冷天おろし


2009年9月に行った際の店前での筆者

半生うどんのお土産セット


~うどん屋さん以外のおすすめ店~

骨付鳥「寄鳥味鳥(よりどりみどり)」

骨付鳥は香川県丸亀市発祥のご当地グルメで、アメリカのローストチキンを参考に、骨付き鶏もも肉を焼いたものです。
地元の人から教えてもらったこの店は創業26年の老舗で、骨付鳥の専門店です。
クセになる味で、噛めば噛むほど旨みが出ます。

骨付鳥「寄鳥味鳥(高松市兵庫町1-24 2F)」
店前での筆者

骨付鳥(左が若鶏、右が親鳥)


こんぴら名物「おいりソフト」

おいりとは、餅米から作られるあられで、香川県では結婚式の引き出物の定番として古くから親しまれています。
和三盆ソフトかしょうゆソフトに、おいりがついたソフトクリームは見た目も可愛く、金比羅山を登った疲れを癒してくれます。

ナカノヤ琴平(仲多度郡琴平町796番地)
おいりソフトクリームを食べる筆者


おいり

金比羅参りをする筆者


~名古屋でも本格・讃岐うどんが楽しめます~

さぬき安べえ

こだわりの麺は毎日香川から直送され、化学調味料や添加物を一切使用しないだしは自然な味です。
天ぷらやおにぎりなどのサイドメニューも豊富で、店内はいつも人で溢れています。

さぬき安べえ(名古屋市中区金山1-17-18 ループ金山2F)
店先での筆者

わかめうどんとサイドメニューの天ぷらを食べる筆者(2011年2月)


☆高知県

皿鉢料理

土佐の宴会料理の代表的なものです。
皿鉢と書いて「サワチ」または「サアチ」と呼びます。これは、直径40cmから60cmくらいの大皿をさします。
九谷焼・伊万里焼などの色鮮やかな皿に料理が盛り込まれています。
好きなものを自由に食べる、中国料理と似た形式です。
大皿を多くの人で囲む戦場料理・膳式料理のなごり・卓袱料理の影響を多く受けた料理と、様々に言われています。

料亭「得月楼」の皿鉢料理(1991年3月)

料亭「得月楼本店」

高知県の中心部、はりまや橋のたもとにあります。
明治3年創業以来、歴史・伝統を受け継ぎ、数奇屋造りの佇まいが南海第一楼とうたわれた、当時の姿をしのばせます。
幕末の著名な庭師による見事な庭園、文人墨客の書画も多数あります。
山海の幸をふんだんに使った豪快な料理「土佐料理」・「皿鉢料理」や、初代板前から受け継いだ技の粋を集めた「土佐会席」を中心に味わえます。
毎年1月中旬から3月中旬頃にかけて咲く盆梅(盆栽に仕立てた梅)を鑑賞しながらの「盆梅会席」は圧巻です。
200年から300年の歴史を持つ盆梅は、日本一の呼び声が高く、全国各地から人々が集まるほどの人気です。

料亭「得月楼本店」(高知県高知市南はりまや町1丁目17番地3号)
店前での筆者

盆梅・皿鉢料理と一緒に写っている筆者(1991年3月)


旅館「城西館」

明治7年の創業以来、皇族や各界の名士が足を運ぶ名料亭です。
上記でも説明した土佐の名物料理である「皿鉢料理」も頂けます。
高知県では「チャンバラ貝」と呼ばれている「マガキ貝」も提供されました。
誠心誠意、真心でもてなしてくれます。

旅館「城西館」(高知県高知市上町2-5-34)
店前での筆者

「チャンバラ貝」(1991年3月)


☆徳島県

料亭「錦」

阿波踊りで有名な徳島で、唯一の本格的な料亭でした。
現在は廃業されています。

料亭「錦」の店前での筆者

ひな節句によせた料理(1991年3月)


すだち

徳島県神山町や佐那河内村、阿南市が主な産地です。
県花にも指定されているすだちの実は、98%が徳島県で生産されています。

伊藤華づ枝作「鮭缶と水菜のすだちご飯」
ご飯に水気をきった鮭缶と2cm長さに切った水菜、徳島県特産のすだちをたっぷり絞った、爽やかな味わいの混ぜご飯です

鳴門わかめ

世界一の大きさを誇る鳴門の渦潮は、激流です。
このような環境で育った「鳴門わかめ」は、シコシコとした歯ごたえと風味の良さが評判です。
鮮やかな緑色が特徴でもあり、食べて美味しく、目でも美しい、豊かな海の贈り物です。
徳島県の生産量は全国3位で、品質の良さは高い評価を得ています。

4.四国の郷土料理レシピ

手づくりうどん

パンこね機で作る簡単手打ちうどん

エネルギー304kcal、タンパク質7.9g、脂質1.3g、塩分2.9g(8人分としたときの1人分)
材料(8人分) 分量
強力粉 300g
薄力粉 300g
18g(粉の3%)
ミネラルウォーター(常温) ~300ml~
打ち粉 適量
 
<うどんのかけつゆ>  
A  
カツオと昆布のだし 1200ml
みりん 100ml
しょうゆ 大さじ3
小さじ1・1/3~

※粉に対する塩の割合は、粉を100としたとき、春秋は4%、夏は5%、冬は3%とします

作り方

  1. パンこね機(ニーダー)のポットに強力粉、薄力粉、塩を入れ、タイマーを20分に合わせ、低速で回転させながら水を徐々に入れます。
  2. 1.がポロポロした状態から、小さなかたまりがたくさん出来、15~20分間程で1~2コのかたまりにまとまります。(5~10分たっても粉が残っている場合は、回転を止め、手で生地を混ぜ合わせ、残りのタイマーを合わせてこね上げます)※1.と2.は手でこねても良いです。
  3. 2.の生地が出来上がったら、一つに丸めてビニール袋へ入れ1時間ねかせます。
  4. 打ち粉をしたまな板の上に、3.をのせて4等分し、それぞれをめん棒で25cm四方に伸ばします。
  5. 4.に打ち粉をし、めん棒に巻き付けて、屏風たたみにし、好みの太さに切ります。
  6. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、5.を7分間茹で、水に取ってもみ洗いし、ぬめりを取ります。
  7. (A)を煮立ててつゆを作ります。
  8. 器に6.のうどんを盛り、7.をかけます。

天ぷら

青のりが混ざった衣が香り良く、食欲をそそります

エネルギー362kcal、タンパク質17.9g、脂質18.2g、塩分1.5g(1人分)
材料(4人分) 分量
じゃがいも(小) 4コ(190g)
生しいたけ 4枚
エビ 12尾(300g)
ちくわ 4本
青じその葉 4枚
小麦粉 適宜
 
A  
天ぷら粉 120g
小さじ1/3強
冷水 150ml
 
揚げ油 適宜
青のり 小さじ2/3

作り方

  1. じゃがいもはしっかりと洗い、皮ごと蒸し器のサナに入れ、水から蒸し始め、沸騰後15分間程蒸します。
  2. 皮をむいた1.に塩を軽く振ります。
  3. しいたけは軸を切り落とし、飾り包丁を入れます。
  4. エビは殻をむき、背ワタを取り、尾をハサミで少し切ります。
  5. ちくわは縦半分に切ります。
  6. 食材にはすべて下衣を付けます。
  7. 青じそ、しいたけ、エビの順に、混ぜ合わせた(A)を付けて揚げます。
  8. (A)に青のりを混ぜ入れ、ちくわ、水気を拭き取ったじゃがいもを揚げます。(じゃがいもは竹串を2本突き刺すようにすると衣が付けやすいです)

※写真は、うどんの上にのせましたが、そのままでも美味しく召し上がれます。

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