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インターネット公開文化講座

文化講座

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発酵食品の魅力にせまる

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第9回:各論(その8)~チーズ・ヨーグルト~

 前シリーズでは「みんなの幸せレシピ」と題し、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しました。
 今シリーズでは、代表的な発酵食品を毎月順番に取り上げ、その特徴や健康効果、おすすめの料理をご紹介しています。

 第9回の今月は、「チーズ・ヨーグルト」

 健康に過ごすためには、米や野菜などを中心とした日本型食生活を基本に、乳製品を取り入れることが大切だと、私は様々な講演会などでお話をしています。
 乳製品とは、牛などの動物の乳を加工して作られる製品の総称です。
 牛乳やバター、アイスクリームなど数ある乳製品の中から、今回は発酵食品であるチーズとヨーグルトについて取り上げます。

★チーズとは

牛や羊・山羊などからとれる乳を原料とし、乳酸菌や酵素を加えて発酵や凝固などの加工をして作られます。チーズは「人類が作った最も古い食品」と言われ、紀元前4000年頃にはすでにチーズのようなものが作られていたと伝えられています。
山羊などの乳を保存している時に、微生物などの働きによって乳から白い固まり(カード)と水分(ホエー)に分離し、偶然口にした人が美味しいことを発見したと思われます。

チーズを使ったテーブルコーディネート
(伊藤華づ枝作)

チーズにはたんぱく質や脂肪、カルシウム、ビタミンなどの多くの栄養素が含まれ、肉類を食べない地域の人の重要な栄養源になっています。


<チーズの歴史>

チーズは「アラブの商人が羊の胃袋を干して作った皮の水筒に山羊のミルクを入れて砂漠を旅していた途中に、砂漠の疲れとのどの渇きを癒そうと水筒をあけたところ、中からミルクではなく澄んだ水(ホエー)と柔らかい白い塊(カード)がでてきた」というのが最初のチーズの発見であるという説が有力です。

<チーズの種類と特徴>

チーズは、原料や加工の仕方によって細かく分類されます。
フランスでは「1つの村に1つのチーズがある」と言われるほど、世界各地で様々なチーズが作られています。
製法上、ナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されます。

■ナチュラルチーズ

加熱処理せず、自然に発酵させたチーズのことをいいます。
ナチュラルチーズは硬さや熟成度合いによって、以下の7つに分類されます。

〈軟質チーズ〉

モッツァレラ

(1)フレッシュタイプ...全く熟成させない又は軽く熟成させただけのできたての状態のチーズ
主なチーズ:マスカルポーネ、モッツァレラ、クリームチーズなど

カマンベール

(2)白カビタイプ...表面に白いカビを繁殖させて熟成させるチーズ
クリーミーでまろやかな口当たりで、クセが少ないため誰にでも食べやすいのが特徴
主なチーズ:カマンベール、ブリーなど

タレッジョ

(3) ウォッシュタイプ...表面に菌を植え付けて熟成させ、それをワインやブランデー、塩水などで洗い流すチーズ
表皮に独特の強い風味があるが、中は舌触りがよく、まろやかです
主なチーズ:タレッジョ、エポワス、リヴァロなど

ソワニヨン・シェーブル・ナチュレ

(4)シェーブルタイプ...山羊(フランス語でシェーブル)で作られるチーズ
牛乳より歴史が古く、独特な匂いと軽い風味が特徴のチーズ
主なチーズ:サントモール、シャブルー、クロタンなど

〈半硬質チーズ〉

ロックフォール

(5)青カビタイプ...チーズの内部に青カビを植え付けて熟成させるチーズ
やや強めの独特の香りがあり、味も濃厚で塩味も強いのが特徴
主なチーズ:ゴルゴンゾーラ(イタリア)、ロックフォール(フランス)、スティルトン(イギリス)
これらは三大ブルーチーズと呼ばれています

ゴーダ

(6)セミハードタイプ...強めに圧力をかけて水分を減らしたり、除去する比較的硬めのチーズ
味が変化しにくく、日持ちも良いため保存がしやすいです
主なチーズ:ゴーダ、ライオール、フォンティナなど


〈硬質チーズ〉

エメンタール

(7)ハードタイプ・・セミハードチーズよりもさらに強く圧力をかけて作るチーズ
含まれる水分量がセミハードチーズよりさらに少ない(約38%以下)ため、かなり硬めなのが特徴
主なチーズ:パルメジャーノ・レジャーノ 、チェダー、エメンタール、グリエールなど

■プロセスチーズ

2種類以上のナチュラルチーズを混ぜ合わせ、乳化剤を加えて加熱し、溶かして固めたもののことをいいます。
加熱処理されているため、チーズの発酵の風味は失われて乳酸菌も減りますが、カルシウムやビタミン類はナチュラルチーズ同様に豊富で、保存性にも優れています。

<チーズにあったワインの選び方>

  • ★同じ土地で作られたチーズとワインを選ぶ
  • ★クセのないチーズには白、クセの強いチーズには赤(全般的にどちらかと言えば赤)
  • ★デリケートな香りの高級ワインには、その香りを損なわないようなマイルドなチーズを合わせる
  • ★軽めの赤と甘めの白を2本用意すれば、どのチーズにもOK

チーズに合うワインを選ぶのは難しいものですが、以上の点を参考に、はじめは好きなワインを選び、少しずつお気に入りの相性を見つけていくと良いですね。

<チーズと健康>

チーズにはカルシウム、たんぱく質をはじめビタミンA・Bや鉄分なども多く含まれています。

★カルシウム...
チーズは日本人に足りない栄養素のひとつである、カルシウムを豊富に含みます
カルシウムは"心の栄養素"とも言われるほど大切な栄養素で、イライラ予防や成長期の子どもの心の安定に役立ちます
高齢者の骨粗鬆症予防にもなるので、子どもから高齢者までどの年代の方にも重要な栄養素です
★ビタミンA・B...
脂質を燃焼させ、免疫機能を活発にします
また細胞の成長を促進させ、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります

★ヨーグルトとは

 牛や羊・山羊などからとれる乳を、乳酸菌群で発酵させて作ったものです。
日本では「はっ酵乳」という品名で市販されており、「ヨーグルト」は通称です。

<ヨーグルトの歴史>

紀元前4~3世紀のエジプトには、すでに「飲むヨーグルト」があったと言われています。
動物の皮袋などに入れておいた「乳(ラクダ・山羊・羊・牛などの)」が自然発酵して偶然に出来上がったものとされています。
ヨーグルトという語源は諸説ありますが、トルコ語の「攪拌する」「濃厚にする」を意味する、「ヨウルト・yogurt」からとの説が一般的です。日本では原料である牛乳や脱脂乳に、乳酸菌を培養して発酵させて作ります。

<ヨーグルトの種類と特徴>

■プレーンヨーグルト

原料乳にブルガリア菌、サーモフィルス菌、ビフィズス菌などの乳酸菌を加えて発酵させただけのもの

■フローズンヨーグルト

華づ枝作
いちごのフローズンヨーグルト

原料乳に甘味や果汁などを加え、発酵後に冷凍させます
(家庭ではプレーンヨーグルトに甘味や果汁を混ぜて冷凍させると手軽に作ることが出来ます)
冷凍しても乳酸菌は生きており、口中で溶けると活動を再開します

■ドリンクヨーグルト

華づ枝作
キウイのラッシー(飲むヨーグルト)

「飲むヨーグルト」として市販されています
カード(牛乳のたんぱく質が、乳酸菌の生成した乳酸により固まってできたもの)を撹拌し、なめらかな液状にしたもののことを言います


<ヨーグルトと健康>

たんぱく質やカルシウム、ビタミンA・B1・B2を豊富に含んだバランスの良い食材で、優れた整腸作用があります。

★乳酸菌...
腸の働きを良くして便通を促進します
動脈硬化やガン予防、免疫力を高めてウイルスや細菌などの感染を予防します
★ビタミンB1・B2...
疲労回復や脂肪燃焼に役立ちます

~ヨーグルトが長寿の秘訣~

年齢と共に減少する乳酸菌を増やして腸を若々しくすることが不老長寿につながると、ノーベル賞受賞者のメチニコフ氏は説きました。

彼はブルガリアを訪れた際に、現地の伝統食であるヨーグルトが長寿の秘訣であると発見したのです。
今、世界中で最も注目されている言葉は、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。
プロバイオティクスとは、腸内で身体に有用な働きをする生きた細菌のことで、ヨーグルトなどに含まれるビフィズス菌をはじめとする腸内乳酸菌のことです。
一方で、「プレバイオティクス」とは、それらの腸内細菌の餌となり、腸内細菌を元気にする成分のことで、食物繊維やオリゴ糖を意味します。

健康に過ごすためには、ヨーグルトなどの乳製品と、食物繊維を多く含む野菜や海草などの日本型食生活を組み合わせることが良いとの結論に達します。

<チーズ・ヨーグルトを使ったおすすめ料理2品>

そのまま食べてもおいしい発酵食品を使った料理をご紹介します。

チーズフォンデュー

特製チーズソースを作り、旬の野菜やお好みの食材をつけて食べましょう!

エネルギー331kcal、タンパク質23.8g、脂質17.2g、塩分1.8g(1人分)
材料(4人分) 分量
ピザ用ミックスチーズ 200g
グリエールチーズ
(又はお好みのチーズ・小角切り)
50~100g
小麦粉 大さじ3
 
白ワイン 70ml
 
A  
70ml
牛乳 150ml
 
にんにく 1かけ
フランスパン 1/4本
ロースハム(厚切り) 2枚(160g)
じゃがいも(男爵・中) 1コ
ブロッコリー 1/2株
ゆでタコ 120g
りんご 1/2コ
うずら卵(ゆでたもの) 8コ

作り方

  1. チーズに小麦粉をふり、全体にまぶしておきます。
  2. 白ワインを鍋に入れて沸騰させ、(A)を加えてから1.のチーズを加えてどろどろにします。
  3. フォンデュー鍋又は厚手の鍋に、にんにくの切り口をこすりつけて香りを出し、2.を入れます。
  4. フランスパンは2cm角に切ります(いずれかの面に皮がつくように切ります)。
  5. ハムは適当な大きさに切るか、型で抜きます。
  6. じゃがいもは8等分に切り、やわらかくなるまでゆでます。ブロッコリーは小房に切り、ゆでます。
  7. ゆでタコはぶつ切りにします。
  8. りんごは食べやすい大きさに切ります。
  9. 4.~8.とうずら卵をフォーク等に刺し、3.のチーズをからめながら召し上がります。
いちごのフローズンヨーグルト

鮮やかで、自然なピンク色が美しい一品

エネルギー266kcal、タンパク質4.0g、脂質14.2g、塩分0.2g(6人分とした時の1人分)
材料 作りやすい分量
(4~6人分)
いちご 1パック(300g)
砂糖 120g
レモン汁 大さじ1
生クリーム 200ml
コアントロー(又は好みの洋酒) 大さじ2
プレーンヨーグルト 200ml
飾り用いちご 5~6コ

作り方

  1. いちごは洗ってヘタをとり、砂糖とレモン汁と共にミキサーにかけます(袋に入れて手でつぶしても良い)。
  2. 生クリームにコアントローを加え、かたく泡立ててから、ヨーグルトと(1)を加えます。
  3. 2.をさっくりと混ぜ合わせ、密閉容器などに入れて3~4時間冷凍庫に入れ、途中で2回位スプーンでかき混ぜます。
  4. スプーンですくって器に盛り、いちごを添えます。
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