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インターネット公開文化講座

文化講座

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発酵食品の魅力にせまる

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第8回:各論(その7)~塩麹としょうゆ麹~

 前シリーズでは「みんなの幸せレシピ」と題し、(1)初めての1人暮らしごはん、(2)パパッと2人ごはん、(3)一緒に作れる!KIDSごはんの3つのジャンルに分けて、みんなが幸せになれるレシピをご紹介しました。
 今シリーズでは、代表的な発酵食品を毎月順番に取り上げ、その特徴や健康効果、おすすめの料理をご紹介しています。

 第8回の今月は、「塩麹としょうゆ麹」

 「料理に使うとおいしくなる調味料」として、空前の大ブームを巻き起こすという社会現象まで巻き起こした「塩麹」と、その後に発売されたしょうゆ麹。
 塩やしょうゆの代わりに調味料として使う・食材を漬ける・新しい使い方としてケーキのかくし味に使うなど、まだまだブームは続いているようです。
 今月は、麹を使って作られる「塩麹としょうゆ麹」について取り上げます。

★塩麹とは

塩麹とは麹と塩と水を混ぜ、発酵・熟成させた日本の伝統的な調味料です。
ひと言で言えば「発酵した液状のうまい塩」です。
発酵しているので、身体に良いと言えます。

<塩麹の歴史>

麹は何百年も前からあった調味料ですが、「塩麹」として人気が沸騰したのは2011年の後半頃の事。
大分県佐伯市にある、「糀屋本店」の女将が火付け役と言われています。
傾きかけていた家業を救うために起死回生の一手を探り、やっとの思いで見つけた江戸時代の書物から「塩麹」を見つけ出し、料理に使ってブームを巻き起こしました。
塩麹を調味料として食材を漬けたり調味に使用する事で、麹がたんぱく質や糖を分解してうまみを引き出すことを伝えたのです。
これが健康志向の人たちの間で噂となり、万能調味料としてテレビや雑誌に取り上げられて数多くの本が販売されるようになりました。

しょうゆ麹

その後、各しょうゆメーカーなどがしょうゆ麹を開発し、次々と発売して人気を集めています。
しょうゆ麹はもともと、発酵調味料のしょうゆと麹を合わせたものなので、相乗効果でうまみや風味が増し、塩麹よりも使いやすいと新たな人気商品となっています。

<麹の豆知識>

麹とは米・麦・大豆などの穀物に麹菌(カビ)を繁殖させたもので、それぞれ米麹・麦麹・豆麹となります。

「こうじ」には「麹」と「糀」の2つの漢字があります。

一般的によく使われる「麹」は中国より伝わった漢字で、「かもす(醸す)」の名詞形「かもし」から転訛したといわれています。
「糀」は国字で、米に花が咲いたように麹菌(カビ)が生える様子からつけられました。

■塩麹を作ってみましょう

材料 作りやすい分量
米麹 200g
60g
ミネラルウォーター 300ml

作り方

  1. 容器に材料を入れて混ぜます(常温)。
  2. 2日おきに混ぜます。作って10日目位から、漬物、煮物等に使用出来ます。

※容器は完全に密閉しないで下さい。
※10日位たって麹にふっくら感が出たら、冷蔵庫で保存します。

麹は1週間程度しか持ちませんが、塩を加えて塩麹にする事で半年位保存できるようになります。

左が米麹・右下が塩・右上がミネラルウォーター

塩麹出来上がり写真


■塩麹の活用方法

~塩麹を使った漬物~
きゅうりの塩麹漬け

材料 作りやすい分量
きゅうり 2本(200g)
 
A  
塩麹 小さじ2
少々
しょうゆ 少々

作り方

  1. きゅうりは薄く皮をむき、乱切りにします。
  2. ボウルに1.を入れ、Aで和えます。冷蔵庫で味をなじませてから、いただきます。

塩麹は他にもサラダのドレッシング・煮物・焼き物・揚げ物の下味・蒸し物のタレ・デザートなど、すべての料理に活用出来ます。

~かんたんな使用例~

◇卵かけごはんの味付けとして使用する
◇野菜の和え物・汁物にうま味としてたらす
◇生野菜の上にふりかける

など

<塩麹・しょうゆ麹と健康>

塩麹は麹と塩だけ、しょうゆ麹は麹としょうゆだけで作られているので、安全・安心な無添加食品です。

麹は100種類以上の豊富な酵素を含みます。

<三大消化酵素>

★プロテアーゼ...たんぱく質をうまみ成分(アミノ酸)に分解します。
★アミラーゼ...でんぷん質を甘味(ブドウ糖)に分解します。
★リパーゼ...脂肪を分解します。

麹に含まれるこれらの酵素により、栄養素の分解や合成、排出が促進されるので、健康効果が抜群というわけです。

この他にも、麹は下記の栄養素を含みます。

★ビタミン類...ビタミンB1、B2、B6、ビオチンなど、ビタミン類が豊富で疲労回復効果が期待できます。
★ブトキシブチル(低分子)アルコール...脳下垂体を刺激し、ストレスを軽減します。
★アスペラチン...ガン予防、免疫力増強に役立ちます。
★乳酸菌...整腸作用があり、便秘解消に役立ちます。
★コウジ酸...メラニンの生成を抑制し、美肌効果に役立ちます。

~塩麹はなぜおいしいか~

酵素の発酵作用から食材のうまみ成分と甘味がアップするので、口に入れた瞬間「おいしい」と感じます。
うまみを作り出す“プロテアーゼ”は、食材を柔らかくするはたらきがあります。
このプロテアーゼこそが、塩麹・しょうゆ麹の秘密です。
この成分があるからこそ、食材を漬けたり、塩分の代わりに使ったりする事でうまみや風味がぐんとあがって、手を加えていないのに、プロの味に近づける事が出来、余分な塩分を摂りすぎることもありません。

<塩麹・しょうゆ麹を使ったおいしい料理2品>

話題の塩麹・しょうゆ麹を使ったレシピをご紹介します。

春キャベツとスパイシーポークのミモザサラダ~塩麹ドレッシング~

塩麹を使った万能ドレッシング

エネルギー247kcal、タンパク質15.0g、脂質17.4g、塩分1.7g(6人分としたときの1人分)
材料(4~6人分) 分量
春キャベツ 350g
スナップえんどう 8本
ベビーリーフ 1袋(45g)
豚ロース肉(しょうが焼き用) 12枚(350g)
 
A  
小さじ2/3
黒こしょう(粗挽き) 多め
ガラムマサラ 小さじ1/2
 
サラダ油 大さじ1
 
B  
塩麹 大さじ1~2
しょうゆ 大さじ2
サラダ油 大さじ2
酢(純米酢) 大さじ2
 
ゆで卵 2コ

作り方

  1. 春キャベツは水に浸けてパリッとさせたものをていねいに洗い、せん切りにします。
  2. スナップえんどうは塩茹でします。ベビーリーフはしっかり洗い、ペーパータオルで水気を拭きます。
  3. 豚ロース肉にAで下味を付けます。
  4. フライパンにサラダ油を入れ、3.をあまり動かさないようにしてこんがりと焼きます。
  5. 大きめのボウルでBを混ぜ合わせ、塩麹ドレッシングを作ります。
  6. 5.に1.を入れてサッと和えます。
  7. 器に6.を敷き、ベビーリーフ、4.をのせ、スナップえんどうを添えます。
  8. 7.の上から、粗く刻んだゆで卵の白身と裏ごしした黄身を振りかけ、ミモザの花のように仕上げます。
しょうゆ麹のチーズケーキ

しょうゆ麹を使った大人味のチーズケーキ

エネルギー110kcal、たんぱく質2.0g、脂質7.3g、塩分0.3g(24等分としたときの1切れ分)
材料(21cmの角型1コ分) 分量
<台>  
ビスケット(市販品・プレーンタイプ) 100g
バター(無塩) 60g
 
<生地>  
クリームチーズ(室温に戻しておく) 200g
生クリーム 100ml
グラニュー糖 80g
2コ
しょうゆ麹 50~60g
レモン汁 大さじ2
薄力粉 30g

作り方

  1. ビスケットは厚手のビニール袋に入れてすりこぎなどで細かく叩くか、フードプロセッサーで完全に砕きます。
  2. ボウルに溶かしたバターと1.を入れて混ぜ合わせ、しっとりしたらクッキングシートを敷いた型に入れ、手でしっかりと押し固めます。
  3. 生地の材料を全てフードプロセッサーか、泡立て器でしっかりとなめらかになるまで混ぜ合わせます。
  4. 2.に3.を流し入れ、天板にのせて180℃のオーブンで30分間、170℃に下げて10分程度焼きます。
  5. 冷めてから24等分にし、器に盛りつけます。
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