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お弁当の作り方

郷土料理研究家
栄中日文化センター提携 インターティアラ・お料理サロン 主宰
伊藤 華づ枝

第10回:行楽にも!お手軽ホットサンド弁当~ホームフリージングの上手な活用(2)~

前シリーズでは「歳時記とごはん」と題し、日本人として伝え続けていきたい正月・七夕・節分などの日本の歳時記と、それにまつわる謂れや慣わし・行事食をオリジナルレシピとともにご紹介しました。
今シリーズでは、もっと身近な食育として「お弁当の作り方」を旬のレシピとお弁当作りが楽しくなるコツとともにご紹介しています。

 第10回目のテーマは「行楽にも!お手軽ホットサンド弁当」

街も山も色とりどりの花や緑で華やぎを増しています。こんな季節の心地よい晴天には、お弁当を持って出かけるのも素敵ですね。ホームフリージングがあれば、朝天気を確認してからでもパパっとお弁当を作ることが可能です。冷凍上手は生活上手の楽しみ上手!家族や友達と、美しい自然に囲まれて食べるお弁当の時間は、きっと特別なものとなるでしょう。

★ホームフリージングの活用(2)

■冷凍・解凍の方法

先月号に引き続いて、お弁当でよく使う食品をご紹介します。野菜類と魚類は「お弁当の作り方」第9回:時短レシピで三色そぼろ弁当~ホームフリージングの上手な活用①~でご紹介していますので、そちらをご参照ください。

<肉類>
肉類は特売で購入したり、一度に全部食べきれない場合が多くありますので、冷凍が便利です。いずれの場合も発泡トレーから出して、薄くのばしてラップに包み、できるだけ早く冷凍します。これから暑くなる季節はいたみやすいので、解凍するときは室温ではなく冷蔵庫に入れるか、電子レンジですばやく解凍すると安心です。必ず日付を記入し、古いものから順番に食べましょう。

●挽き肉
フリージングパック(以下パックと記載)に入れ、空気を抜いて薄く広げて冷凍します。熱伝導のよいアルミトレイにのせると、通常より早く冷凍することができます。1回量ずつ割り箸などで押して折り目をつけておくと、使いたい量だけ手で折って使うことができるので便利です。冷蔵庫か電子レンジで解凍するか、そのまま使います。


面倒でも1枚ずつ広げて

●薄切り肉
1枚ずつラップの上に広げて1人分ずつ(4~5枚)並べ、空気を抜いてピッチリとラップに包んでからパックや容器に入れて冷凍します。冷蔵庫か電子レンジで解凍するか、そのまま使います。半解凍の状態で切ると、とても切りやすいです。


●厚切り肉
ステーキ肉やとんカツ用の厚切り肉は、1枚ずつピッチリとラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。冷蔵庫か電子レンジで半解凍するか、そのまま使います。

●細切れ肉
薄く広げてピッチリとラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。焼き肉のタレなどで下味をつけてから冷凍してもよいでしょう。冷蔵庫か電子レンジで半解凍するか、そのまま使います。

●鶏肉(もも肉、胸肉)
1枚ずつ広げてピッチリとラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。大きすぎる場合は、半分に切ってから冷凍してもよいでしょう。ただし、あまり小さく切ってしまうと、空気に触れる部分が多くなり、冷凍時に味と鮮度が落ちやすいので気を付けます。冷蔵庫か電子レンジで半解凍するか、そのまま使います。半解凍の状態で切ると簡単に切ることができます。

●鶏肉(ささ身)
筋をとって1本ずつピッチリとラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。冷蔵庫か電子レンジで半解凍するか、そのまま使います。

●ハム、ベーコン
1枚ずつピッチリとラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。かたまりの場合は、好みの厚さに切ってから冷凍します。サラダや和え物、炒め物などに使う場合は、小さく切ってパックに入れ、空気を抜いて薄く広げて冷凍します。冷凍している途中、パックの上から手でほぐすと、パラパラになって使いやすくなります。いずれもそのまま使います。

●ウインナー
パックに入れ、空気を抜いて薄く広げて冷凍します。表面に水分がついているとくっつきやすいため、軽くふきとると良いでしょう。切れ目を入れても、そのままでもOK。凍ったままゆでたり、炒めたりして使います。

<穀類>
最近の炊飯器は保温にも優れ、いつでも炊き立ての味を楽しむ事ができるようになりました。しかし、電気代や保存期間、手間や味などを総合的に考えると、ご飯の冷凍はとても便利です。ごはん以外にも、うどんやパスタなどの主食がすぐに用意できると、気分的にもゆとりができます。


炊き立てをラップで包みます

●ごはん
残ったから冷凍するのではなく、炊き立てを冷凍しましょう。温かいうちに1食分ずつ四角くラップに包み、冷めてからパックや容器に入れて冷凍します。炊き上がった後しばらく経って冷たくなったごはんは、すでに水分が蒸発してしまっているため、ふっくら炊き立ての味に解凍できません。電子レンジでチンして温めてから使います。温めたご飯をお弁当に詰めても、チャーハンやオムライスにしても◎。冷凍のままお弁当箱に詰めると、水が出て食感も味も悪くなるのでやめましょう。

●パン
有名なパン屋さんの冷凍パンが販売されるなど、最近はパンの冷凍も常識となりつつあります。1枚ずつ、あるいは1個ずつラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。パンはとてもにおいを吸収しやすいのため、しっかり密封しないと庫内のにおいが移り、味が悪くなりますので注意しましょう。焼く時は冷凍のままトースターへ、サンドイッチなどそのまま食べる場合は、冷蔵庫で自然解凍します。冷凍のまますりおろすか、フードプロセッサーにかければ、簡単にパン粉もできます。冷凍のパンは、急にお弁当が必要になった時などにとても助かります。

●うどん
多くゆでて余ってしまったうどんは、1食分ずつ広げてラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。市販のゆでうどんは、袋ごと冷凍しましょう。冷蔵庫か電子レンジでほぐれる程度まで半解凍して使います。熱湯でさっとゆでると、ゆで立ての味が楽しめます。煮込みうどんは冷凍のまま入れて煮込んでもOKです。

●パスタ
冷凍する場合は、少し短めにゆでるとよいでしょう。1食分ずつ広げてラップに包み、パックや容器に入れて冷凍します。オリーブ油やバターを絡めてから冷凍すると、麺がほぐれやすくなります。冷蔵庫か電子レンジでほぐれる程度まで半解凍して使います。

●焼きそば用めん
袋ごと冷凍できます。ひき肉同様、割りばしなどで押して少量ずつ折り目をつけておくと、お弁当用に便利です。冷蔵庫か電子レンジで、ほぐれる程度まで半解凍して使います。

<その他>

●煮物、炒め物
カボチャの煮物やきんぴらごぼう、ヒジキの煮物などは、水分をきってお弁当用カップに入れ、空気にできるだけ触れないようラップをしてから容器に入れて冷凍します。そのままお弁当箱に詰めると、保冷剤代わりになります。

●炊きこみごはん
五目ごはんなど、冷めてもおいしいごはんはお弁当で喜ばれます。ごはんと同様に温かいうちに1食分ずつ四角くラップに包み、冷めてからパックや容器に入れて冷凍します。電子レンジでチンして温めてから使います。


錦糸卵で彩りアップ

●薄焼き卵
1枚ずつラップに包んで冷凍します。錦糸卵はパックに入れ、空気を抜いて薄く広げて冷凍します。すぐに解凍できるので、使う前に冷凍庫から出せばOKです。ちょっと彩りが欲しいときにどうぞ。

●ちくわ、かまぼこ、さつまあげ
1つずつラップで包み、冷凍します。かまぼこは切ってからラップに広げ、ピッタリ包んで冷凍します。凍ったら、パックや容器に入れると場所をとりません。あらかじめ小さく切ってから冷凍すると、炒め物や煮物にすぐに使えて便利です。


残った天ぷらは冷凍しましょう

●天ぷら
1つずつラップに包んで冷凍します。解凍はラップをしないで電子レンジにかけるかオーブントースターで。天丼や卵とじにすると、手軽に豪華なお弁当が完成します。

●カレー、シチュー
パックに入れ、空気を抜いて薄く広げて冷凍します。割りばしなどで押して折り目をつけておくと、少量ずつ使えます。チャーハンなどの味付けに便利です。お弁当用カップに入れ、チーズを散らして冷凍し、電子レンジかトースターで焼けば、グラタンが簡単にできます。


お弁当以外でも大活躍

●だし汁
みそ汁を作る時など、多目にだしをとって冷凍しておきましょう。製氷器に入れて冷凍し、凍ったらパックか容器に入れて保存します。電子レンジで解凍するか、煮物などに使う場合はそのまま入れます。


時間のある時に作っておきましょう

●フルーツ
かんきつ類は皮をむき、薄く広げて冷凍します。凍ったらパックや容器に入れて保存します。そのままお弁当に入れると、保冷剤代わりにもなり便利です。


行楽にも!お手軽ホットサンド弁当

~とっさのお弁当もホームフリージングでオシャレにきめる~

自然を見ながら、会話を楽しみながら食べるお弁当は、手で食べやすいものが喜ばれます。見た目もオシャレなホットサンドは、普通のサンドイッチより手が込んでいるように見えて、実はとっても簡単なお弁当の味方です。中身もホームフリージングを活用すれば、あっという間に出来上がり。カレーは中身をつぶすと、濃度が出て扱いやすくなります。今回のようにブロッコリーや青菜、きのこなどを一緒に入れると栄養バランスもよいでしょう。冷凍のフルーツは、食べやすい上に保冷剤代わりになるので、これからの季節にうれしいですね。必要な時にパパッとお弁当を準備できるようになれば、あなたはもうお弁当上級者です。

★ホットサンド

エネルギー548kcal、たんぱく質16.9g、脂質23.5g、塩分2.9g(1人分)
材料 2人分
食パン(8~10枚切) 10枚
マーガリン 適宜
《ポークステーキサンド》 《2組》
キャベツ 50g
豚ロース肉 2枚
サラダ油 適宜
ウスターソース 大さじ1
粒マスタード(あれば) 小さじ1
   
《カレーサンド》 《2組》
カレー(前夜の残りや冷凍したもの) 100g
ブロッコリー 30g
   
《ジャムロール》 《2本》
イチゴジャム 大さじ2

作り方

  1. パンは耳を切り落とし、マーガリンをぬります。冷凍パンを使用する場合は、前夜に冷蔵庫へ移しておくか、電子レンジで解凍します。
  2. キャベツはせん切りにして油で軽く炒め、肉は焼いてそぎ切りにし、ソースの中にとおします。冷凍のせん切りキャベツを使用する場合は、冷凍のまま炒めます。
  3. 冷めたキャベツと豚肉をパンの上におき、豚肉にマスタードをぬってはさみます。
  4. カレーは塩ゆでして適当な大きさに切ったブロッコリーと混ぜ、パンではさみます。
  5. パンの周りをフォークの背などでギュッと押してしっかりとじ、トースターでこんがり焼きます。
  6. パンにジャムをぬってロール状にします。

※パンは半分に切っても、そのまま持っていっても良いでしょう。


★季節の野菜

お好みの野菜を付け合わせると、口がさっぱりして彩りもよくなります。今回はキュウリスティックを添えました。ミニトマトの器にマヨネーズやもろみみそなどを入れてどうぞ。

★冷凍フルーツ

かんきつ類は皮をむいて冷凍し、凍ったまま容器に入れて持っていきます。時間のある時に作っておくと、いつでも使えて便利です。

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