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共済のしくみ

共済のしくみ

火災、落雷や自動車の飛び込みなどの事故は複雑多様化の傾向にあり、その対策が重要な課題となっています。
住宅が不測の事故に見舞われた場合、損害額がささいなときは自分で負担することができます。
しかし、損害額が大きいときは自分の力だけで対処することが困難となり、家族の生活への影響も大きくなります。

このような大きな損害に備えて、自分で資金を貯蓄する方法がありますが、この方法では貯蓄を始めた直後に生じた損害に対処することができません。
そこで考え出されたのが、このような危険にさらされ不安を抱く多くの人々から掛金を集め、その掛金の中から事故により損害をこうむった人々に共済金を支払うことで、負担する損害額を最小限に抑えることができる相互扶助のしくみです。

事故イラスト

快適な生活の条件

私たちが安心で快適な生活を送るためには

 (1) 家族の健康
 (2) 家計の収支のバランス
 (3) 家族間の愛情

の3つの条件が必要となります。

たとえば、住宅に生じた不測の事故により損害が生じることで、出費が多くなります。その結果、家計の収支のバランスがくずれ、家族間の愛情と信頼が薄れ、家族の健康を害し、安心で快適な生活が送れなくなります。

「家計の収支のバランス」についてさらに掘り下げて考えると、私たちは

(1)生活水準の上昇にともない支出が増加しています。
(2)各種ローンの増加によ り家計の負債も増加しています。
(3)火災、落雷や自動車の飛び込みなどはいつ起きるかわかりません。
(4)長生きした場合でもいつまでも十分な収入があ るとは限りません。

など一生を通じて常に家計の収支のバランスがくずれる危険にさらされています。
したがって、このことに対して無防備では安心した生活ができません。
そこで、経済的に困らないように、事前に十分な準備をしておくことが必要です。

共済のしくみ

共済のしくみは、本来「助け合い」であり、貯蓄とは異なります。
「自分の払い込んだものに利息がついて戻る」のは貯蓄であり、「自分の払い込んだものが他の多くの人を助けるために使われ、自分が助けられるときには、他 の人が払い込んだものが使われる」のが共済で、「一人は万人のために、万人は一人のために」という相互扶助の精神で成り立っているともいえます。

つまり、大勢の人々がわずかなお金を出し合って、大きな共有の財産をつくり、仲間に万一のことがあったときは、その中からまとまったお金を出して、経済的に助け合うしくみになっています。

例えば、ある茶道教室で、生徒が不注意から茶碗を割ってしまい、その購入代金1万円を弁償することになりました。
茶道教室では、毎年5回くらい、このような事故が起きていて、これから先も起きることが想定されます。
さらに、だれが事故を起こすのか全くわかりません。言いかえると、全ての生徒が事故を起こす可能性を持っています。
そこで、なんとかして「事故が起きた際の個人の負担を少なくすることができないか」と考えた末、年間に生じる損害額を生徒で公平に分担すればよいことに気がつきました。

1万円(茶碗1個当たりの購入代金)× 5個(年間に割れる数)=5万円(年間の損害額)
5万円(年間の損害額)÷100人(生徒数)=500円(1人当たりが分担する金額)

つまり、生徒全員の賛同を得たうえで、年間の損害総額5万円を生徒100人で公平に分担した1人当たり500円を、前もって、全員から集めることにしました。

5万円(年間の損害額)÷100人(生徒数)=500円(1人当たりが分担する金額)

このことにより、万一事故が起きた場合の弁償は、生徒から集めたお金の中から支払われることになり、個人の負担は500円と少なくなりました。

サイコロイラスト

ところで、サイコロを振った場合、1回だけではどの目が出るのかわかりませんが、何千回、何万回と数多く振った場合には、1から6までの目がほぼ6分の1ずつの割合で出ることがわかっています。
数少ない経験では何の法則もないようなことでも、数多くの経験を集めると、ある決まった傾向が表れてきます。
これを「大数の法則」といいます。

茶道教室の例では、「年間5個の茶碗が割れる」ことがこの傾向にあたります。
茶道教室の経験が1年程度ではわからないことも、数十年になると生徒数と茶碗の割れる数との関係が傾向として表れてきます。
茶道教室の例は、共済の基本的な精神と「しくみ」を表し、全ての生徒から集める500円が「掛金」、万一事故が起きた場合に支払われる1万円が「共済金」にあたるわけです。

火災については、毎年どの住宅から火災が発生するかは全くわかりません。
たとえば、過去の統計にもとづき毎年1万戸の住宅の中で10戸に火災が発生(火災の発生率)し、全ての住宅の価値を2,000万円と仮定します。
今後1年以内に火災によって損害が生じた場合に限って共済金2,000万円(住宅の価値)を支払う場合、支払われる共済金の総額は、

2,000万円(1戸当たりの共済金)×10戸(年間の火災発生戸数)=2億円(共済金の総額)

となります。
この共済金の総額(2億円)を契約人数1万人で公平に負担しますので、1人当たりの掛金は、

2億円(共済金の総額)÷1万人(契約人数)=2万円(契約者1人当たりが年間に負担する掛金)

となり、当然のことながらその総額も、

2万円(契約者1人当たりが年間に負担する掛金)×1万人(契約人数)=2億円(掛金の総額)

となります。
つまり、共済金の総額(支出)も掛金の総額(収入)も2億円となり、全体の収支は等しくなるように算出されます。

住宅火災 一部焼

以上のことは、火災の発生した場合の損害が常に全焼(住宅の全部が焼失する。)となることを前提としています。しかし、現実には一部焼(住宅の一部が焼失する。)となる場合も少なくありません。

したがって、火災共済の場合は、火災の発生率の他に、損害の程度が全焼か一部焼かといった損害割合も加味しなければなりません。
そこで、過去の統計にもとづく平均的な損害割合を0.8と仮定すると、支払われる共済金の総額は、火災の発生戸数に損害割合を乗じた数値を用いて、

2,000万円(1戸当たりの共済金)×10戸(年間の火災発生戸数)×0.8(損害割合)=1.6億円(共済金の総額)

となり、1人当たりの掛金は、

1.6億円(共済金の総額)÷1万人(契約人数)=1.6万円(契約者1人当たりが年間に負担する掛金)

となります。

このように、現在の共済は、「大数の法則」を応用し、住宅の火災発生率など、偶然の事故の生じる確率にもとづき算出した掛金を各契約者から集め、その総額 と偶然の事故が生じた場合に支払う共済金の総額とが、等しくなるように仕組まれた制度(収支相等の原則)となっています。